ゆっくりいこう ~不登校ふたりっ子の足跡~

不登校の双子と生きる母の忘備録

「もし中学に行けなかったら、どこか行く場所が必要でしょ」

昨晩、いつものように眠れないと私を呼びに来た長男。

ベッドの横に座り、長男が眠くなるまで

「あ~・・・明日学校・・・いやだな」

「ぼく、眠りたくない。寝るの大嫌い」

とぶつぶつ話しているのを聞いていました。

 

寝たら明日が来てしまう。

明日が来るのが嫌と思うほど、学校に行きたくない。

そういうことかな。

 

それでも、今日は給食を食べに登校することができました。

夫が休みなので、無言のプレッシャーに圧されてですが。

子どもたちが夫の顔色を伺うような状態は良くないとは思うけれど、少しでも登校できたことにホッとしている自分もいます。

 

適応指導教室主催のイベントに行ってみたい

 

学校から適応指導教室主催のイベントのお知らせを貰ってきました。

ひとつは野菜作り体験、もうひとつは海釣り体験。

 

どちらも内容としては普段から家族でやっていることだし、楽しそうです。

でも、初めての場所、初めての人の中に入っていくのが苦手な双子。

行かないだろうなぁと思いつつ、一応声をかけたところ、

「ぼく、行きたい!」

と、次男から予想外の返事が。

次男「釣りやりたい♪ 野菜作りも山の方でやるんでしょ?

   ぼく、自然がいっぱいなのが好きなんだよね」

 

正直、かなり驚きました。

 

次男はひといちばい敏感な気質で、初めての環境に入っていくのが苦手です。

新しいことをやるのも、石橋を叩いて叩いて、よーく観察して、結局渡らないという選択をすることが多々あります。

赤ちゃんの時からその慎重すぎる性格と付き合ってきたので、楽しそうな野菜作りや海釣りであっても、初対面の人と行くと言うとは思わなかったんです。

 

長男も新しい環境は初めて会う人は苦手だけど、好奇心の強さに助けられることも多い。

野菜作りや海釣りなら、長男の「やってみたい」という気持ちを引き出すにはぴったりです。

しかも、イベントで植え付けや収穫をする野菜は、どれも家では育てたことのない野菜。

「次男が行くならぼくも行く」

と、乗り気になったようです。

 

「もし中学に行けなかったら、どこか行く場所が必要でしょ」

 

いつにない積極性を見せた次男に「どうして参加してみようと思ったの?」と聞いてみました。

 

次男「それ(適応指導教室)って学校に行けない子が行くんでしょ?

   ぼくも、もし中学に行けなかったら、どこか行く場所が必要でしょ。

   だから、どんな様子か見てみたいと思って。」

 

どんな子のためのイベントなのか、

他にはどんな子が来るのか、

主催する適応指導教室がどんなところなのか、

私のわかる範囲で説明したので、次男は自分に必要な場所だと思ったのかもしれません。

 

長男「知らない人ばっかりだよ」

次男「うん。わかってるよ。でも、仲良くなれるかも」

 

私の心の中で、おぉ~!!と歓声が上がりました。

次男からそんな言葉が出るとは。

 

もともと次男は一度信頼を寄せた相手をとても大事にするタイプです。

共感性が高いので、気の合う相手がいれば良い関係性を築けるのだと思います。

自分と同じように学校に行くのが苦痛な子なら、仲良くなれる気がするのかもしれません。

 

なにより、自分の将来のことを考えて、学校以外の居場所にも少し目を向けてみようという気持ちになったというのは、今までになかったことです。

順調に学校に行けるようになるかもしれない。

でも、行けないかもしれない。

学校に行けなくても、自分の居場所が欲しいと考えているようです。

 

次男がちゃんと自分のことを考えているのが嬉しいです。