ゆっくりいこう ~不登校ふたりっ子の足跡~

不登校の双子と生きる母の忘備録

末っ子の一大事

こんにちは。

 

ひきこもりがちでも成長著しい我が家の中学生男子。

中学入学からすでに4~5センチは身長が伸びています。

長男の通学用の運動靴も、夏休みが終わる前に新調しなくちゃ。

 

そして、成長期だけあって食べる食べる・・・。

たいして動いていないのに。

これで毎日学校に行って部活も頑張っていたら、常に腹ペコなんじゃないかしら。

中学生男子×2にかかる食費、軽く見過ぎていました。

 

でもね、元気があって毎日ごはんを美味しく食べられるって、幸せなことだなぁと思います。

 

末っ子の緊急事態

 

我が家にはうさぎ(こみみ・3歳)の女の子がいます。

不登校になった双子の癒しになればと3年前にお迎えした、我が家のかわいい末っ子です。

 

そのこみみが先日体調を崩し、ごはんを食べなくなってしまいました。

 

いつもなら夕方になると走り回ってごはんを催促するこみみが、用意したごはんにも全く興味を示さず。

手と足を身体の下に入れて箱座り状態。

耳も冷たくなっていました。

 

うさぎは胃腸の働きが止まってしまうと、命の危険がある動物です。

24時間飲まず食わずでいると死んでしまうと言われているほど。

人間なら半日ごはんを食べなくても問題ないけれど、うさぎにとっては死活問題です。

すぐに病院に連れて行かないと、手遅れになることもある。

 

ところが運悪く、この日はお盆の初日。

かかりつけの動物病院はお盆休みに入っていて、電話も繋がらず。

市内の動物病院に10件くらい電話したものの、みんな留守電でした。

電話が転送されて繋がっても「うさぎは診られません」「いま遠方で」と、断られ・・・。

 

結局、最後の頼みの綱である市内の夜間救急動物病院にお世話になることに。

電話対応が始まる21時を待ってすぐに電話し、こみみを連れて受診しました。

 

緊迫の一夜

 

受診した時のこみみは、だいぶ危ない状態でした。

本来38℃くらいある直腸温が36.2℃まで低下していて。

レントゲンでは胃の中にガスがかなり溜まっているのが確認できました。

うさぎが最も罹患しやすく、そして死因としても多い「うっ滞」という病気。

 

獣医さんから提案があった治療は2つ。

A)腸を動かすお薬の投与と、水分補給のための皮下点滴で様子を見る。

B)Aの治療に加え、全身麻酔をして口からカテーテルを入れ、胃の中のガスを抜く。

 

Aの治療だけで助かることもあるけれど、亡くなってしまううさぎさんもいる。

Bの治療はガスを抜くことができるけれど、麻酔のリスクがあるため、やっぱり亡くなってしまうこともある。

 

そんな、どちらかを選べと言われても。

こみみを失うかもしれない事態に、思考が停止してしまいました。

 

獣医さん「麻酔に少しでも不安があるようなら、Aにしましょう」

この一言で夫が心を決め、投薬と皮下麻酔の処置をしてもらって帰路につきました。

 

身体を温めてあげること。

とにかく何かを食べられるように、好きなものを用意してあげること。

少しでも食べ物を口にできれば、腸が動き出して回復の可能性が高まるそうです。

 

24時頃に夜間救急の獣医さんが「どうですか?」と電話をくれました。

でも、その時点では容態は変わらず。

じっと隠れて箱座りを続けるこみみ。

回復を祈ることしかできない私と夫は、そのままリビングで夜を明かしました。

 

朝を迎えて

 

こみみがやっと食べ物を口にしたのは、翌朝6時。

最後に食べ物を口にしてから、恐らく20時間くらい経っていました。

 

まずは乾燥させた人参の葉を少し。

それからパパイヤの葉、柔らかめの牧草、バナナ。

固いペレットにはなかなか口をつけなかったけれど、だんだんと牧草をムシャムシャ食べるようになり、水も飲みました。

トイレにも行けました。

 

薬が効いて、腸が動き出したようです。

腸が動き出せば、胃の中のガスも出て行きます。

耳も冷たくなくなっていました。

 

そこからの回復は、びっくりするほど早かったです。

夕方にはペレットも普段通りあっという間に完食。

自分でも元気になったことが嬉しいのか、走り回っておやつをおねだりするほど。

 

ごはんを美味しく食べられる。

足を投げ出して無防備に眠れる。

 

繊細な動物と暮らしていると、そんな些細なことから生きている尊さを教えられます。


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その時の双子

 

双子もこみみのことをとっても心配していました。

目に入れても痛くないほど可愛い妹だもの。

 

私と夫が夜間救急に行っている間、2人は家でお留守番していました。

中学生とはいえ、もともと不安が強い双子。

夜に留守番をするのは初めての経験で、本当は心細い気持ちもあったはず。

でも、こみみを心配する気持ちの方がずっと大きかったのか、留守番の不安は口にしませんでした。

 

こみみを失うかもしれないという恐怖。

その喪失感で自分のメンタルが崩れ落ちてしまうんじゃないか。

子どもたちのメンタルもボロボロになってしまうんじゃないか。

そんなことを考えて、私も胸が押しつぶされそうでした。

 

無事に回復してくれて、本当に良かったです。

末っ子の一大事を乗り越えて、双子はさらにこみみを大事にしようと決意した様子。

いつかはお別れすることになる命だけど、まだまだ私たち家族に必要な存在です。