ゆっくりいこう ~不登校ふたりっ子の足跡~

不登校の双子と生きる母の忘備録

「お子さんに学校に行って欲しいですか?」

こんにちは。

 

先週までの暖かさが一転、今週は冬らしい寒さが続いていますね。

年末年始はまた暖かくなるのだとか。

 

春夏秋冬という熟語は春が始まりだけど、1年の始まりは冬だという考え方を聞いたことがあります。

葉を落として栄養を蓄えることに専念し、芽吹くための準備をする季節。

土の中で根を張り、支えとなる土台を作る季節。

 

そう考えると、不登校の子どもたちは今まさに冬を過ごしていて、栄養を蓄えている最中なのかもしれません。

 

不登校で繋がる

 

我が家の不登校歴はもう6年目。

先日初めて、いわゆる不登校の親の会に参加してきました。

 

私には月1回、一緒にお茶会をする不登校ママ友がいます。

誰にでも話せるわけじゃない悩みや愚痴を打ち明けられる、もはや戦友のような存在。

 

そして不登校関連の情報会で4~5年前に知り合ったお友だちが2人。

LINEでたまに近況報告して、1年に1度くらいランチをする間柄。

繋がりは不登校というキーワードだけ。

それでも会えばお互いの話をうんうんと聴いて、励まし合える関係です。

 

そのうちの一人が親の会を立ち上げたので参加してみました。

見ず知らずの方が集まる、いわゆる「親の会」は初めてでした。

 

今まで親の会に行かなかった理由

 

子どもが不登校になった時、それまでの人生からは想像もしなかったほど、先の見えない真っ暗なトンネルに迷い込んだような気持ちでした。

 

だから、本当はすぐにでも誰かと繋がりたかった。

この気持ちを理解してくれるひと。

大丈夫と言ってくれるひと。

情けなくて惨めで、どうしようもなく自分を責めたり卑下してしまう気持ちを受け止めてくれるひと。

子ども達のためではなく、私自身の支えになってくれる誰かと繋がりたいと思っていました。

 

でも、勇気が出なかったんです。

 

市内の親の会やフリースクールを調べたり、教育支援センターに電話してみたりしたけど、自分の弱さをさらけ出すのが怖くて。

勇気がなくて。

親の会の扉を叩くことさえできませんでした。

 

年月とともに色んな価値観を少しずつ手放して、不登校を受け入れられるようになりました。

 

今の私は、もう親の会は自分には必要ないと思っています。

何でも話せる友だちがいて、ブロ友さんもいて。

不登校、つまり学校に行けないことに悩んでいるわけじゃない。

子ども達、そして私自身の生き方の悩みだから(それって誰もが悩むことですよね)

 

そんな理由で、今までいわゆる「親の会」には参加したことはありませんでした。

 

でも、今回行ってみて良かったです。

長い不登校歴を持つ今の私だから、みんなの話を受け止められるし、言えることもある。

双子が生後半年の時に、縋るような想いで初めて双子サークルに参加した時のことを思い出しました。

親の会とかピアサポートって、実は精神科医やカウンセラーのような専門家とは違った意味で、大切な支援のひとつなんですね。

 

「お子さんに学校に行って欲しいですか?」

 

途中から、地元のお寺の住職さんが参加して下さいました。

ありがたいお話もして下さり、でも、それ以上に不登校の子や親の実態を知りたかったご様子。

 

住職さん「お母さん方、お子さんに学校に行って欲しいですか?」

 

案外こんな風にストレートに聞かれることって少ないですよね。

なかなか核心を突いた質問。

 

参加者のほとんどは、不登校歴半年~2年くらい。

主催していたお友だちと私だけ6年。

 

住職さんからの質問に、う~ん・・・と顔を見合わせる皆さん。

「最低限の勉強は身につけて欲しい」

「お友達との関わりも必要」

「嫌な事でも多少の我慢はすることを覚えて欲しいし、努力も必要」

皆さん、やっぱり学校に行ってくれればと願っているようです。

 

一方、不登校歴の長い主催者さんと私。

「学校に行って欲しいという気持ちはなくなった」

 

私は今も、行けるのなら行くに越したことはないと思っています。

学校って効率良く勉強も社会性も身について、色々な経験ができる便利な場だから。

でも、自分自身を犠牲にしてまで行って欲しいとは思いません。

 

学校に行くか行かないかの問題ではなく、どう生きていくか。

学校から焦点をずらせば、違う景色が見えてくる。

 

まだまだ手放せないものを多く抱えているお母さんたちに、そんなことを伝えていけたらいいな。

都合が合えば次回も参加してみようと思います。